コレキャン事業責任者・中村光にとってKOREWOKINIは「ウェルビーイングを高めてくれるサードプレイス」

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第365回は一般社団法人KOREWOKINIでコレキャン事業責任者を務める中村光さんです!キャンプ×サステイナブルをテーマに活動をされている中村さんが、キャンプに惹かれたきっかけや、サステイナブルを意識するようになったきっかけなどをお話いただきました。

 

家・職場以外のサードプレイスがKOREWOKINI

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

日系メーカーで海外営業として働きながら一般社団法人KOREWOKINIに所属しています、中村光です。KOREWOKINIではキャンプ×サステイナブルをテーマにしたキャンプイベント「コレキャン」の企画・運営責任者として活動している他、Instagramのキャンプメディア「korecam2020」のディレクターも務めています。

ー所属されている一般社団法人KOREWOKINIについてもう少し詳しく教えていただけますか。

KOREWOKINIは内閣府主催の国際交流事業プログラム出身者が集まってできた団体になります。2018年にスタートし、2020年に一般社団法人化しました。国内外で活動するグローバル人材に向けて、ミートアップイベントや学びを深めるワークショップを開催しています。人生におけるきっかけを生み出し、次の一歩を踏み出す「これを機に」を応援することを目的とした団体であり、人生のどんなフェーズにおいても居場所を感じられるコミュニティとなっています。

ー中村さんも2018年から運営側として関わられているのでしょうか。

2018年にKOREWOKINIができた時は参加者側としてイベントに参加しました。その時参加したイベントでは200名近くが集まり、キャリアや自分のこれからの人生についてそれぞれが考えました。

参加当時、ちょうど社会人2年目が終ろうとしているところで、仕事は順調だったのですが家と職場を往復するばかりの日々に少し物足りなさを感じていました。KOREWOKINIのイベントはそんな自分に良い刺激を与えてくれ、ここを自分のサードプレイスにしたいと思い、運営として関わることになりました。

 

やりたいを支えてくれる環境と仲間の必要性

ーKOREWOKINIは内閣府の国際交流事業プログラム出身者によって運営されているとのことですが、中村さんはいつそのプログラムに参加されたのですか。

内閣府の国際交流事業にもいくつか種類があるのですが、私は大学3年生の時に世界青年の船(通称SWY)という船上で海外の人たちと一緒に生活をし、異文化交流を図るプログラムに参加しました。

ー元々、海外には興味をお持ちだったのですか。

そうですね。両親が仕事はライスワークと割り切り、いかに家族との時間を増やすかを大事にするタイプだったため、長期休暇の時は家族で旅行に行っていたんです。英語や海外に興味を持つようになったのは家族で行ったハワイ旅行が初めのきかっけです。拙い英語ではありましたが現地の人と英語でコミュニケーションを取れたのが嬉しかったのを覚えています。

大学入学後にタイに友人と旅行で行ったのですが、その際に思うように英語が話せず悔しかったことから英語にゼミに入りました。また、大学で出会った先輩がニュージーランドに留学されていた話を聞き、自分も行きたいと思ってクライストチャーチに短期留学していました。

ーSWYの前にニュージーランドにも行かれていたんですね。ニュージーランドで何か今に繋がる気づきなどはありましたか。

ニュージーランドの家族を大事にする文化は素敵だなと思いましたね。ホームステイをしたのですが、ホストファミリーが必ず毎晩全員でご飯を食べていたり、週末は必ず家族で出かけていたり…また、ニュージーランドの自然をとても大事にする文化にも惹かれました。自然保護のため、キャンプはオッケーでも焚き火はだめなどのルールがきちんとあることには驚きました。

ーSWYでの気づきや学びもぜひ教えてください。

SWYではダイバーシティについて特に考えさせられました。例えばジェンダーについてであれば全ての人を女性・男性に分けることができないというのを全員が当たり前に知っている状況だったり、中東からの参加者もいたのでハラルフードに対する理解をみんなが持っていたり…今までみてきた世界がまだまだ小さかったことに気づき、固定概念を捨ててオープンな姿勢で誰とも接することの大切さを感じました。

また、船上ではやりたいことがある人を全力で全員でサポートする環境があり、その環境のありがたさも感じることが多かったです。応援の仕方はいろいろとあると思いますが、無条件に応援してくれる仲間がいる心強さをSWYでは感じることができました。

 

幼少期から今まで「環境」は1つの自分の軸だった

ー中村さんの現在の活動においては「サステイナブル」がキーワードの1つかと思いますが、サステイナブルに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

サステイナブルについて興味を持ったきっかけは、生まれた環境が大きかったと思います。工業団地の近くで生まれ、夏に近くの川から異臭がしたり、工場から出てくる煙で空気が汚かったりするのが当たり前な環境で育ちました。高校入学後、友人が家に遊びに来た時にそのことを指摘され、それが当たり前だったので指摘されたことに驚いたんです。

それ以来、環境については考えるようになり、大学でも人間環境学部に進学。大学ではCSRや公害について勉強しました。就活の時も、企業選びにおいて環境に貢献しているかどうかはチェックした上で入社を決めましたね。

ーそうだったんですね…!日頃から何か意識してされていることはありますか。

日々やっていることとしてはなるべくゴミを出さないようにしています。キャンプにいく時なども事前準備をしっかりし、なるべくゴミがでないように工夫をしています。

現状、日本では燃えないゴミなども燃料を入れて無理やり燃やしています。全然サステイナブルではない方法にかなりの税金をかけているので、小さいことではありますが少しでもゴミがでないようにするのは大事なことだと考えています。

 

キャンプのヒーリング効果に気づいたのはつい最近のこと

ーもう1つのキーワードでもあるキャンプについてもお話を聞かせてください。キャンプはどのタイミングで興味を持たれたのでしょうか。

キャンプは実は小さい頃学童で年に1回行っていた程度で、その後は全然行っていませんでした。なので社会人になってからキャンプの魅力に気づいた形になります。

社会人2年目の時、韓国の顧客を担当していたのですが、日本と韓国を往復する日々が続いたことで身体を壊してしまった時期がありました。その時にYouTubeでたまたまキャンプ動画を見たんです。動画を見ただけでなぜか自然とリラックスできたので、興味を持ち、すぐにテントなどをネットで購入してキャンプにいってみることにしました。

初めてのキャンプはテントをたてるだけで2時間半程かかってしまったのですが、それすら非日常でとても楽しく…自然の中で過ごすことでデジタルデットクスもでき、キャンプにはヒーリング効果があると実感しました。キャンプで匂いや温度などを肌で感じてもらいたい、キャンプの魅力を知ってもらいたいと思い、それ以来、活動を続けています。

ーそれがコレキャンの活動になるんですね。

自分の好きなキャンプと、関心のあるサステイナブルを組み合わせてInstagramを初めて見たところ、9ヶ月で1万人の方にフォローいただきました。今ではそのInstagram運用経験とノウハウを生かして中小企業のSNSコンサルをさせていただくこともあります。

コレキャンとしては、現在新たにキャンプ商品を作ろうと考えて動いています。まだ具体的な商品などは決まっていないのですが、キャンプを通してサステイナブルについて考えるきっかけとなるような、環境と人に優しいプロダクトを作る予定です!

ーすごいですね。Instagramを始められた際に大事にしていたことはありましたか。

発信し続けることは大事にしていました。SNSのアルゴリズムとも関係してきますが、まずは継続して更新することが大事だと思っています。今でもInstagramは1日に2回更新することをずっと続けています。

 

ウィルに従ってひたすら動く

ーコレキャンの活動を続けるモチベーションはどこにあったのでしょうか。

始めると決めた時に、それを応援してくれる友人に囲まれていたから続けられたと思います。何か新しいことを始める時、やっぱり1人では難しいと思うので、そういう時に大事になってくるのがサードプレイスの存在だと思います。自分が自分らしくいれる仲間がいて、やりたいと思ったことが挑戦できる環境があるからこそ、今も続けられています。

KOREWOKINIは自分のウェルビーイングを高めてくれるサードプレイスです。

ー中村さんにとってのウェルビーイングとは何ですか。

自分らしくいられることだと思います。

高校時代までは固定概念に縛られた優等生だったんです。野球と勉強が自分の全てだったのですが、大学に進学してそれだけで人は評価されないことを実感し、自分らしさを大事にするように。そして留学やSWYなどいろいろ経験する中でやりたいと思ったことをやるという姿勢を大切にするになりました。

ー最後に今後取り組みたいことや目標などがあれば教えてください。

直近ではコレキャンの製品開発、ブランド立ち上げに注力したいと思っています。自分のことを受け入れてくれる存在がKOREWOKINIにはいるので、周りの協力を得ながら、人と環境が共存する社会を目指して、自分にできることを少しずつやっていきたいです。

また、仕事とコレキャンの活動の両立ももちろんですが、それ以外にもワクワクを感じたことには積極的に挑戦していきたいです。最近はアート思考にも興味があるので、アート系のワークショップはやってみたいと思っています。アートには正解がなく、思いや考えを自由に形にしてビジュアル化できるのは面白いですよね。ちなみにKOREWOKINIでもアート思考を取り入れた3ヶ月にわたる自己内省プログラムを実施予定です。自分のウィルを見つけるには内省の時間が大事だと思うので、一人で考えるのは難しいという方はぜひ参加をご検討ください!

 

執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
インタビュー:武海夢(Facebook)
デザイン:五十嵐有沙(Twitter